1957年の東大の研究チームの調査では、当時の日本人の平均体温はなんと36.9℃。
今なら微熱があるかと心配されかねない温度ですね。
2008年の調査では大人が36.1℃、子供でも36.4℃といいますから、ここ20~30年で私たちのカラダは随分冷えてきているといえます。
季節を問わず冷たいものを飲むようになり、日々積み重なるストレスにより、自律神経の働きに乱れが生じているといわれています。
体温が下がる → 血液の温度が下がる → 血行が滞る
この「負の低体温サイクル」から、
血行を良くする → 血液の温度を上げる → 体温が上がる
病気知らずで過ごせる、「健康体温サイクル」に導く画期的アイテムが「三井式温熱治療器3」を初めとする三井温熱のセルフケアアイテム。
自分一人で、簡単に、効率よくカラダを温められるので、時間に追われ、お疲れ気味なあなたにもピッタリのセルフケアアイテムが揃っています。
人のカラダは元々寒さに対する調節機能が乏しく「冷えに弱い」という弱点を持っています。カラダが冷えると、深部(五臓六腑)を冷えから守るために、体表など他の場所に症状が現れます。さらに冷えが進むとやがて体温が下がり、五臓六腑の機能が低下し、色々な病気の発症につながるといわれています。
そもそも体が冷える原因は何でしょうか。
体が冷えるのは自律神経による血管の運動調整と深く関わっています。
自律神経には交感神経と副交感神経の2種類ありますが、一部の例外を除いて血管は交感神経が支配しています。
皮膚の血管も交感神経だけが分布しており、交感神経が興奮すると血管は収縮し、抑制されると拡張します。
寒さを感じたときには体内の熱を逃がさないように皮膚の血管を収縮させ、血液量を減らします。激しい運動やストレスがある場合は、筋肉へ多くの血液を流すため、皮膚の血管を収縮させ、血液量を減らします。
しかし、ストレスが継続したり、夏の猛暑の外気温と室内の冷房による急激な温度変化が繰り返されたりすると、カラダに大きな負担がかかり、急激な変化にカラダが対応しきれなくなると、自律神経が失調状態になって体温が下がり、カラダが冷えていくのです。
特に、女性に冷えやすい人が多いのは自律神経が女性ホルモンの影響を受けやすいからだといわれています。
一口に「冷え性」といっても様々なタイプがあります。
本人が自覚しづらいものもありますので注意が必要です。
人が生きるためのカラダの営みが最も活発になる理想の体温は37.2℃(深部体温)です。
体温が1℃下がることで、免疫力が30%以上下がり、基礎代謝も12%下がるだけでなく、体内酵素のはたらきが半減するといわれています。
逆に体温が1℃上がることで、免疫力は5倍~6倍にも増強するとのことです。
寒さや冷えを感じたり、そのおおもとの原因となるストレスを感じたりする時、すぐに身近にカラダを温めるものがあるといいですね。
こんな時、すぐにお役に立てるのが家庭用管理医療機器として承認されている三井式温熱治療器3(MI-03)です。
三井式温熱治療器3は厚生労働省から家庭用管理医療機器として承認されており、分類は温灸器に属します。次のような効果、効能があります。
(1) 疲労回復
(2) 血行をよくする
(3) 筋肉の疲れをとる
(4) 筋肉のこりをほぐす
(5) 神経痛、筋肉痛の痛みの緩解
(6) 胃腸の働きを活発にする
左から、温熱施療をする前、三井式温熱治療器を使って50分施療後、そして右は施療後4時間経過したものです。温熱の効果は一過性のものではなく4時間を経過しても骨が温まっており、長時間温熱効果が持続することが分かります。
今、三井温熱療法を語るとき、
1. 三井と女子先生が実践されていた本来の「高温熱刺激療法」のスタイル
2. ①の効果を、熱刺激に変わる様々なサポート製品を使用し、お客様に受け入れやすく、多くの方が再現できるケア方法に進化してきた「三井温熱総合療法」のスタイル
3. ご自分やファミリーで行う「セルフケア」「ホームケア」のスタイル
の3つのスタイルに分けられます。
①や②は資格を持ったプロの温熱療法師がおこなうものですが、そこにある理論ややり方はそのままセルフケアでも有効な理論となりますので、この場でご紹介させていただきます。
三井と女子先生(1915~2001)によって開発された三井温熱療法は、人体の熱を求めている箇所に適量の熱刺激をすることにより、さまざまな疾患に効果をあげてきた療法です。(これを「適所適量の熱」と三井先生をおっしゃった)
他にも『病はカラダの熱不足』とおしゃったり、『注熱=熱の足りない場所に熱を補充する』という造語を作られたりしながら、真の温熱の基本的な考え方は、全身をくまなく温めるのではなく、その人その人の冷えた場所を見つけ、そこに適宜注熱をしていくことだと語られました。
背骨を中心とした背中に十分な時間をかけ、疾患部位への血流増加をはかり、バランスを崩した自律神経を整えることで、人が本来持つ免疫能を向上させると考えられ、その施療法は約2万例の実践を経て体系化されました。
プロフィール
山梨県生まれ 山梨女子師範学校卒業後、教職者として30年に渡り教育一筋に心血を注ぐ。60歳の時に医療の道を志し、単身上京。昼夜3つの学校で勉強し、指圧師の国家資格を取得。温熱療法(最初はテルミー療法)を主とした治療院「丼龍堂」(せいりゅうどう)を1988年、地元甲府市に開設。
皮膚と内臓の関係に着目し、人間が本来持っている自然治癒力を活性化させ、精神と肉体の病を同時に治癒の方向に向けるという「三井温熱療法」を確立した。
「温熱療法」には全身を同時に温めることを目的にしたものと、部分や点を刺激するものとに分かれており、それぞれに長所、短所があります。
ア)全身を温める
イ)局所を温める
→三井温熱では温熱器に装着する「ナノカーボン温熱ヘッドカバー∞」を開発。設定温度3の使用で、低温やけどの心配もなく熱の欲しいポイントをしっかり温められるようになっています。
さまざまな温熱療法と三井温熱療法の考え方の違いはどこにあるのでしょうか。
三井温熱療法では温熱器を動かしながら、熱を求めている点を見つけ、そこに適切な熱刺激を与えていきます。
カラダが熱を求めている点とは、簡単にいうと「冷え、コリ、痛み」のある点。
そこを健康になるための「適所」ととらえ、そこに適量の熱(=熱かったところが熱くなくなる)を加える「適所適量の熱」という考え方が三井温熱療法の特徴といえます。
三井先生は「病気は身体の熱不足」と繰り返しおっしゃっていました。
冷えの自覚がある方はもちろんのこと、今現在、あまり冷えを感じていない人でも、身体の各部位で血行が悪くなっていたり、部分的に体温が下がっていたりする箇所があります。
入浴のように全身を温めようとするやり方と、「適所適量の熱」といわれる、必要なポイントを見つけてそこに熱を入れていこうとするのでは、効果にさまざまな違いが出てきます。
「三井式温熱治療器3」は、熱不足の部位を的確にとらえ、そこに熱を入れていくことができます。これを「注熱」という言葉で三井先生はあらわしました。
「冷え、コリ、痛み」のある場所はほかよりも熱を敏感に感じます。
プロのケアを受けると、思わず「アチチ」と声が出るほどですが、はじめは熱く感じた場所も、バランスを考えながら注熱をし、熱が十分に入ると、最初ほどの熱さは感じなくなります。
この熱かったところが熱くなくなるというのが、「熱さ」を使った温熱ケアの一回の目安としていますが、セルフケアではプロの療法師のようにはいきませんので、無理をせず、熱かったところを温熱器に別売りのヘッドカバーをつけてゆっくり温めたり、セレクトクリームを使ってコリをほぐしたりするのも良いでしょう。また、熱くした方が効果があるわけではありませんので無理をされないようにご注意ください。
三井式温熱治療器3が、温熱効果を発揮する優れた治療器なのかをまとめてみましょう。
ア)適所適量の注熱ができる
カラダのエネルギーである熱が不足している場所は、同じ温熱器の温度を、他の場所よりも「熱く」感じます。この皮膚の閾値(いきち)の違いを利用して、熱が必要な場所に効率よく注熱し、身体をバランスよく温めることで、全身の血行も良くなり温熱効果が長続きします。
*皮膚が熱や圧を感じる仕組みを解明したとして、2021年ノーベル医学・生理学賞がデヴィッド・ジュリアス博士、アーデム・パタプティアン博士(いずれもアメリカ)に授与されました。さらに研究が進むことで、より科学的に温熱の効果を証明できる日が来ることを期待しています。
イ)身体の奥の不調が探ることができる
東洋医学では「内臓皮膚反射」と言う考え方があり、内臓の不調を皮膚の反射点でとらえ、経穴(ツボ)を刺激することで改善しようとします。
しかしながら、これには専門的な知識と経験が必要となり、誰にでもできるものではありません。温熱器は熱さの感じ方の違いで、体表のこりだけでなく、体内の不調からくる反射点も探ることができます。
ウ)身体に負担がかかりにくい
ご自分のカラダの状態に合わせて、温熱器の温度を5段階から調節できますので、ゆっくりと心地良く温めることも可能です。リラックス効果が高まり、安眠効果も期待できます。
また、全身を一度に温めるやり方よりもカラダへの負担が少なくてすみます。
エ)面と点を簡単に使い分けられる
三井式温熱治療器3の最大の特長は、発熱表面が薄いピラミッド状になっていることです。(実用新案登録第3144979号、意匠登録第17778号)
特に意識せず使うと面の温かさを存分に感じることができますが、逆にポイントを探すように使うと、温熱器はまるで「探知機」のようにはたらき、「冷え」「コリ」「痛み」のある点を見つけ、熱さで刺激をすることができます。
オ)セルフケアが手軽にでき、自分の身体を自分で守れる
ご自身のカラダを手軽に効率よくケアできる理想の器具、それが三井式温熱治療器3です。
温熱器をお使いになることでご自分のカラダと向き合え、さらに健康に対する意識も高まります。
カ)安全で使いやすい
三井式温熱治療器は、非常にコンパクトで軽量です。(発熱部160g)女性の手にもなじみやすく、緩やかなカーブ形状で腰、肩、背中にもフィットしやすく、長時間の使用でも疲れにくい構造になっています。
1時間で電源が自動的にOFFになりますので、安心して使用することができます。
痛みや不調を感じる場所を温めるだけでなく、健康回復、健康維持のための基本となる場所を、体調に合わせ、温めたり、熱刺激したりしていただくと、結果的に効果が早く現れることがよくあります。
背骨をしっかり温めることが温熱ケアの最大の基本です。
背骨には脳神経、脊髄神経(あわせて末梢神経と呼ぶ)があり、交感神経幹が併行して走っています。
体内での異常は、内臓皮膚反射という形で体表に近い神経に反応点となって現れます。この点を温めたり、熱刺激したりします。
また、脳脊髄液という中枢神経の中を通って頭蓋骨と骨盤のあいだで循環を繰り返し、神経の栄養となる体液があり、この脳脊髄液の循環を高めるためにも背骨を温めることが重要です。
背骨とそのまわりの筋肉を、ゆっくりと温めながらほぐしていきます。背骨を温め、緊張した背中の筋肉をほぐしながら左右バランスを整えましょう。
ご自分でするときは、仰向けに寝て、温熱器に身体をあずけて、ゆっくりと温めていきます。ソファなどにもたれてするのも気持ちいいのでお試しください。また、三井式温熱治療器専用の「らくらくマイハンド2」を使うと、背中の好きな場所を温めることが可能です。
腹部、胸部は自分で最もケアしやすいところですので、毎日積極的に温めてほしいところです。
十二指腸ポイント(腹部、へその右側)を意識しながら腹部を緩め、さらに呼吸が深くできるように、胸部を開くことを心がけると本質的なケアにつながります。
三井先生は「女性を見たら甲状腺」と口癖のようにおっしゃっていました。
甲状腺と拮抗関係にあると考えられていたのが「副腎」。
「甲状腺」は体の新陳代謝を盛んにするホルモンを作る臓器で、その異常から 「疲れやすい」 「寒さに弱い」 「むくみがち」 「体重が増える」 「声がかすれる」 「動作が緩慢(かんまん)」 「肌が乾燥しやすい」 「毛が抜ける」 「便秘」 「生理が不規則」 「不妊・流産しやすい」などその症状はきわめて多岐にわたります。
「副腎」は生きることの基本を作るホルモンといわれ、ストレスに対抗し、免疫や炎症などを制御、糖代謝を調整、血圧を正常に保つなどその役割は多岐にわたりますが、ストレスが重なるとストレス対抗にのみ重点が置かれ、ほかの機能が低下し、結果的にカラダが疲弊してしまいます。日々のセルフケアでも、常に意識してほしいポイントです。
骨はもともとセラミックです。ゆっくりと骨を意識して温熱器で熱を入れることで、自分の身体にあった一番快適な遠赤外線を骨自身が長時間サポートすることになります。温熱を終えた後もいつまでもカラダがポカポカしているのもこのためです。
筋肉を温め、適度な熱刺激を加えながら、骨に熱を残すようにイメージで温熱をしてみてください。熱を表面に塗るようなやり方では得られない、カラダの奥深くに広がっていく温かさを感じ取ることができることでしょう。
一か所ずつ止めて、熱くなってきたら移動するやり方。
衣服の上から温熱器をとめて使います。長時間、直接あてていると火傷の危険がありますので、付属の「布カバー」をつけてご使用いただくか、衣類の上からあててください。ただし、衣類はセーターなど厚さのある衣類は注熱を遮りますので、控えていただくことをおすすめします。
アイロンをかけるように、ゆっくりと発熱部を動かしていくやり方。布カバーをかけて、素肌や衣服の上をさするように流します。両方のやり方を混ぜるのも良いでしょう。
いずれのやり方も、同じ部位をやり続けたり、熱さを我慢しすぎると、低温やけどをする可能性がありますのでご注意ください。
温熱器は持ち方ひとつで熱の入り方が変わります。発熱部がカラダにしっかりあたるように工夫してみてください。
ア)一本持ち……首、腕、指先など細かな動きが必要なときに使う持ち方。
イ)逆手持ち……手のひらに発熱部を逆に向けて持つ。圧をかけて広い部位を流すときに使う持ち方。
ウ)順手持ち……柄をもって使うときは、逆の手で発熱部を押さえると良いでしょう。
エ)ラケット持ち……カラダの反対側を引き寄せるような動きをするときに使う持ち方。
布袋を付けた状態で腕などをなで、心地良く感じる温度に設定します。
*温度の設定は5段階になっています。
1…約42℃ 2…約55℃ 3…約62℃ 4…約70℃ PRO…86℃
温度設定の数字だけを見ると、温度が高すぎて大丈夫?と心配される方もおいでかと思いますが、布を介すことで皮膚が感じる温度は設定温度とは異なります。
あまり熱さを感じない温度で長時間ご使用になると、副交感神経が働き、体がだるく感じることがありますのでご注意ください。また、セルフケアでご使用の際は、設定4でのご使用を推奨しておりますが、ご自身の体調に合わせて無理のないようご使用ください。
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・「PRO設定」は温熱療法を行う施療師のための設定です。一般の方が使われるときは、低温やけどなどに十分気をつけてご使用ください。
・「PRO」に設定されるときは、「温度設定」と書かれたところを長押しします。(数秒押し続けます)
温熱ケアの最大のポイントは何といっても背骨を中心とした背中。
温熱器に寄りかからなくても、椅子に座ったままで、思ったところに気持ちよく 熱を入れられる便利なグッズ。
適度なしなりでポイントに密着。わずかな力で満足のいく温熱ライフが実現します。
※マイハンドらくらく2は別売りです。
温熱器の熱刺激が苦手な方や気になるところをじっくり温めたい方のために、三井式温熱器の熱をやさしく感じながらより効果的に、しっかり熱を残す、頼もしいサポート商品が誕生しました。
ナノ加工されたカーボン粒子の熱により、熱の放射角を広げ、従来の温熱器の「注熱効果」と対照的な「残熱効果」を高めることを目的に開発された「三井式温熱治療器」の専用カバーです。
「ナノカーボン温熱ヘッドカバー∞」は設定3でのご使用であれば就寝時にも使え、より効率よく熱が入るためセルフケアに適しています。
1)熱がしっかり残る(残熱効果)
温熱器の熱放射を拡散させることで、範囲が広がり、しっかり温まります。
2)かんたん
三井式温熱器専用カバーとして開発・設計されています。ぴったりフィットし、取り付けもかんたんです。
3)きれい
汚れても、濡れタオルでふきとることができます。いつも清潔、気持ちよくご使用いただけます。
※素肌に直接あてる際は、表面温度を確認の上注意してお使いください。例1 左に肩こりを訴えている場合
左がこっているというときは自覚がなくとも反対側もこっているケースが普通ですから、必ず右も温めてみるようにしましょう。首筋、腕を温めてみたりするのも効果的。女性の方に多いのが、胸にこりがあり肋骨や鎖骨の可動性が悪くなっているケースもあります。症状のある部位を広く取り囲むようにセルフケアするといいですね。
例2 左の腰が痛いと訴えている場合
左右の腰や臀部(坐骨、仙骨などに注熱)、太ももなどの筋肉を温めゆるめるのが基本です。この基本だけであまり楽にならない場合、気づかない原因としてお腹の硬さが考えられます。慢性的な腰痛はお腹が硬くなって動きが悪い場合がほとんどですのでゆっくり温めてみてください。
63歳の時、頚椎後縦靭帯骨化症という現代医学では治すことのできない難病に侵されました。肩がこる、痛いから始まったその症状は次第に悪化し、毎日夕方4時くらいになると、重い鉛のような痛みが左の肩と首に襲ってくるように。その痛さはなかなか周りには理解してもらえず、心身ともボロボロで苦しんでいました。
医者から週1回ブロック注射を首と肩にうってもらい、後は痛み止め、貼り薬、睡眠薬で痛みをやり過ごすという何とも悲惨な日々を過ごしていました。
この病気は頸椎の後縦靭帯が老化により神経にあたり、手足を麻痺させ、知覚障害も表れ、進行具合によっては廃人になるという恐怖があります。医者からは「小さなショックでも重大なことが起こる可能性があるから、転んでもいけないし、運転中も追突されたら大事になるから注意しろ」と言われていました。
「この先、この症状が右手、両足にも出る可能性が高い」といわれ、住んでいる岐阜から遠く離れた宇都宮、京都の病院で検査入院し、助かる道を模索しましたが結果はみな同じ。
民間療法も良いといわれるものは何でも試そうと、岐阜県内はもとより、愛知、長野まで出かけ様々な療法を受けましたが、どこへ行っても痛みのとれるものはありませんでした。
もう諦めかけていた頃、友人から「行ってみるかい?」といわれた愛知の温熱療法院は、高速で片道2時間のところにあり、そこで三井温熱療法という療法に巡り会うことに。
どこに行っても取れなかった痛みが、温熱を受けた後は4日間も取れたのです。希望が出てきて、しばらく定期的に通った後、探し求めて三井式温熱治療器を購入しました。
さあ、それからは毎日、朝昼晩、温熱器との格闘の始まりです。最初はうまくいかなかったのですが、熱さと奮闘している間に、自分でやってもだんだん痛みがとれてきました。
温熱に出会う前はゼロだった左手の握力が35まで回復し、医者が驚いて「ほかで何かしているのか?」と聞いてきましたが、私は答えませんでした。そしてその日で通院を終わりにしました。
しばらくセルフケアで頑張っていましたが、機会があって千葉にある温熱器の本社で温熱ケアを受けることに。今まで体験したことのない温熱の熱さ、痛さ、そして心地よさに感動した私は、すっかり温熱の「とりこ」になってしまいました。自分も困っている人を助けたいという衝動にかられ、すぐに名古屋で講習を受け、温熱療法師の道を志すことに。
その間にも私の肩、首はどんどん良くなってきました。
ひどい腰の痛みで杖をついて歩いてきた友人に温熱をしたところ、すたすたと歩けるようになり、涙でいっぱいの目で「ありがとう、ありがとう」と言って私に抱きついてきました。男同士の抱擁です。私も泣いていました。一年前に痛みで泣いていた男が、次の年には反対に人を助ける温熱療法師になっていたのです。
自分が受けた温熱の凄さ、神秘的とも思える不思議な力、自分が受けた恩恵を困っている人たちに伝えたいと思い、痛みに苦しむ人たちに寄り添いながら温熱施療を続けてもう17年。今年80歳、男性として最高齢の現役温熱療法師となりました。17年前、あんなに激しい痛みに苦しめられ、進行する症状に不安で怯えていた私は今、温熱療法師として痛みに苦しむ人たちに希望を与えることができています。
同年代の人たちが次々と体が動かなくなりゴルフをやめる頃に、ハンディキャップ10になり、毎週ゴルフ場に行って、年下の人たちから「スーパーくそジジイ」と呼ばれています。
温熱もゴルフもあと何年できるか分かりませんが、三井温熱療法と巡り会った温熱療法師として、命尽くまで楽しく進んでいこうと思っております。
K・Sさん(80歳・男性) 2021年3月21日